個人的な30年前
4月1日でApple社は30周年を迎えたのだそうです。
一方1976年の私はというと、仕事的には駆け出しの頃。
ある日友人が家にやってきて「秋葉原でコンピュータ買えるらしいよ」と突然言い始めたのです。
当時コンピュータというと電子計算機と呼ばれ、タンスのようにデカイ箱で磁気テープがグリングリン回るような物しかビジュアル的に浮かばなかったりするわけで、コンピュータを買うという行為がさっぱり分かりませんでした。
「はあ??コンピュータって買える物なの?」
早速秋葉原に見に行くことになりました。
その正体はNECのTK80というワンボードマイコンだったわけです。
私はSFなどを読んでいて「多分生きている間に宇宙旅行には行ける世界が来るだろう」とは思っていましたが「コンピュータを家に置く」というのは全く想像もしていませんでした。
「自分のコンピュータを所有する」という言葉の魅力にとりつかれて、即TK80を購入して帰りました。
TK80はキットの形で販売されているので、半田付けで自分で作らなければなりません。
キットとは言っても基盤に部品をさして半田付けするだけなので、アンプなどを自作していた私にはとても簡単であっけなく完成。
そこで初めて気付いたのです。
「コンピュータってなにするものなのだろう・・・」
現在のパソコンだったら電源を入れるだけで色々なことをすぐにやることができますが、TK80はマイクロコンピュータの仕組みを理解するための製品なだけに、7セグメントのLED8個と16進キーしか付いておらず、しかも電源を入れただけではなにもおきません。
プログラムをしないとなにもしてくれないと気付くまでにかなりの時間マニュアルと格闘しました。
サンプルプログラムを入れたら電卓の動作をするようになりました・・・高い電卓です(笑)
その後、様々な本を読みあさって、フルキーボードを接続したり、BASICというプログラミング言語を使用できるようにしたり、テレビに繋いで文字を表示できるようにしたり・・・・
TK80との出会いがなければ間違いなく現在の私はなかったでしょう。
というより、この30年が日本のパーソナルコンピューティングの歴史なのです。
日本のユーザが初めてマイクロコンピュータを手にして首をひねっていた年、アメリカではすでに数万人のフリークがいたそうです。
そんな中の一人がテレビに接続でき、キーボードを繋げばすぐにBASICでプログラミングができる世界初のパーソナルコンピュータ「Apple1」を開発し、商才のある仲間と共にパーソナルコンピュータ専門の会社「Apple社」を作ったわけです・・・なんという発想の違いなのでしょう。
まさにThink Differentです。
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