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2006/04/24

Jon Anderson SOLOライブ

Joaanderson W440-2

4月21日(金)Jon Anderson SOLO Work In Progress Tourと銘打たれたYESのボーカリスト「ジョン・アンダーソン」のソロツアーに行ってきました。
会場が心斎橋クラブクアトロと小さい会場で、開演30分ぐらい前に会場に到着し、人の列もなくすんなり入場。
チケットには整理番号が書いてあったのですが、小さい会場だからぜんぜん関係ないですね。
小さい会場なのに椅子が配置されていて、多分200人程度ぐらいのキャパだと思われます。
ステージ上にはスクリーンと丸の中に三角が入ったオブジェが置いてあり、ちょっとスピリチャルな雰囲気をかもし出しています。
また2本のアコースティックギターとキーボードが置かれています。

開演10分遅れぐらいで会場の電気が消え、鳥の鳴き声SEと星空の映像が流れ始めジョン・アンダーソンが登場です。

以下セットリストはインターネット上の資料と記憶に頼っていますので完全にあっているかどうかは自信無いですが、大まかにはあっていると思います。

■ Harmony
■ Long Distance Runaround
■ Standing Still
■ Yours Is No Disgrace

実は事前情報で「バンドいなくてカラオケバックで歌う」という情報を得ていたので正直それほど期待していませんでしたが、実際に始まってみるとジョンのギター以外の音が沢山入っています・・・・でもテープという無機質な感じじゃないのです。
微妙に揺れる・・・なぜ???
素晴らしくよいのです!
あっという間にオーディエンスはジョンの魔法の虜となります。

その謎はMCでの解説で明らかにされます。
ようはアコースティックギターにMIDIのピックアップが付いていて、弾くと、リズム、アルペジオ、ストリングス、コーラス、SEなどがパターン化されてループシーケンサーにあらかじめ登録されているものが、ギターのコード毎にアサインされていると思われます。
足下にはペダルがあり、アサインされたループのどの音源を出すかを選択することができるわけです。
Mac使いのジョンのこと、多分abletonのLive 5あたりを使用しているのではないでしょうか。
あらかじめ録音されている音源には違いないのですが、ジョンのノリが反映されるわけです。

MCが結構笑えるのですが、しばらく英語でしゃべったらおもむろにマイクスタンドにかけてある小さなベルを「チリリン」とならします。
するとスピーカーから今のMCの日本語訳が聞こえ始め会場爆笑というお茶目な演出。
バックヤードの日本人スタッフが翻訳しているのですが、誰でもわかるような内容しかジョンはベルを流さず、難しい話になると翻訳に頼らずゆっくりジェスチャーまじりで解説していました。
単純に笑いを取る演出のようです。

■ Richard
未発表の曲とのことイングランドの王にして十字軍の英雄「リチャード1世」こと、リチャード・ライオンハートについて書いた曲で、パーカッションがリンクし、コーラスが盛り上げます。

今回のLiveはライティングは白明かりオンリーでしかも固定で最初から最後までつきっぱなし。
オペレーターがいらないという状態なのですが、それを補完するのがスクリーンにプロジェクションされる映像です。
素晴らしい!
例えばRichardではMCの間古い本が映写されていて、曲が始まるとその本が開いて物語が綴られていく雰囲気のアニメーションとなり、十字軍っぽい実写映像がうっすらそれにかぶり、さらにジョンの横顔がオーバーラップされていく・・・というような感じです。
これは舞台向かって左側にVJ(ボーカルにエフェクトかけたりするのも兼任。PAミキサーはクワトロの人でいっさいフェーダーには触っていませんでした。)が座っておりビデオ素材の送出にEDIROLのHDD式ビデオ送出機PR-80(またはそのシリーズ)とビデオカメラの映像を、同じくEDIROLのビデオミックス/スイッチャーLVS-400(多分)でリアルタイム合成しています。
CG素材も、ビデオ素材も素晴らしい出来です。

Anderson1-1

次の曲は1971年にジャマイカの浜辺でラリっていた時に、ソンブレロかぶったパイナップルが現れて「レゲエの曲を書け!」と言われたから作った曲だそうで、本当にレゲエでした。
■ You Lift Me Up
スクリーンにはソンブレロかぶったパイナップルが踊りまくるCGが表示されます。
ジョンのサイトで聞くことが出来ます)

次はジョン&ヴァンゲリスの曲。
1972年に初めてヴァンゲリスに合いにいった時の話をヴァンゲリスのものまね混じりで解説します。
熊の用な風体のヴァンゲリスの家に初めて行ったとき、なぜかヴァンゲリスは弓矢で遊んでいて、それを眺めていたら、いきなり矢を放ちその矢は窓から外へ飛んでいったそうです。
「なんてことするんだ!危ないだろ!」ととがめたら「だって俺はギリシャ人だもん」って意味不明のいいわけをしたそうな・・・
■ I'll Find My Way Home

アメリカの高校生のワークショップに参加したときの話、曲を作る上でどのようなことが役に立っているのか聞かれたジョンは「仏陀は素晴らしい、それからキリストもね、あとモハメッド・・・クリシュナ・・・みんな素晴らしいね。これらの方々は素晴らしい教師なんだよ。」と答えたのだそうな。
そんな思いでで作った曲。
■ This Is (The Buddha Song)

ここでギターからピアノに変えてピアノのフレーズをちょこちょこと試し始める。
「ジョンってピアノも弾くんだね?」と思っていたらものすごくうまい!
でもジョンがピアノをから手を離しても音は鳴っていたというギャグだったわけで場内爆笑。
実際はまあちょこっと弾ける程度で、はしごから落ちて怪我をした時にほかに触れる楽器が無かったのでキーボード弾いていたらちょっと弾けるようになったとのこと。

さてピアノで弾き語りを・・・とピアノの1音弾いたらいきなりアコースティックギターにアサインされているシーケンス音がでてあわてて止める一幕も。
■ Set Sail / Close To The Edge excerpt / Imagine / The Revealing Science Of God / Time And A Word
しっとりと弾き語りですが、例えばClose To The Edgeなども一節だけという感じですが、全体なかなかよいんですよこれが。

ピアノメドレーが終わってギターへ。
外タレともなると、ローディーがついていて曲間にチューニングされたギターなどを届けにくるものですが、ジョンの場合は全部一人でやります。
チューニングメーターもつないでないので、久しぶりにライブでチューニングの風景を見ました。(笑)

さてライブも佳境に入ってきたわけですが、ここでイエスのライブではすっかりおなじみとなった動揺コーナー!
■ さくら→チューリップ
ほかにもゾウサンやドングリコロコロなどもレパートリーなわけですが、ジョンが日本のスタッフに「子供が歌う歌を教えろ!」って言いますかねえ?
例えば「代表的なジャパニーズトラディッショナルソングは何?」って聞いて、通訳の人がとっさに思いついたのが動揺とかそんな雰囲気なのでは・・・
オッサンやオバサんにチューリップ一緒に歌えって強制するのはいかがなものか・・(笑)

続いて2曲
■ Show Me (ジョンのサイトで聞くことが出来ます)
■ Ritual - Nous Sommes Du Soleil

続いてはロンリーハートなわけですが、基本的にジョンの曲だけで構成されたライブなのでロンリーハートはやらないつもりだったらしいのですが「ライブをやる国からリクエストが多いからやるね。え〜っとロンリーハートってどんな曲だっけ??」みないなノリでアコースティックバージョン。
■ Owner Of A Lonely Heart
ABWHの時にもアコギバージョンやっていましたが、またちょっと違うアレンジで、結構カッチョイイんですよ。
キーボードのソロの部分はスキャットでやるなど笑える部分もあるんですが「ロンリーハート変奏曲」という感じ。
■Wonderous Stories

またアメリカの高校生のワークショップに参加したときの話。
アメリカの高校では先住民のことは教えていないそうで「子供たちにはインディアンやアボリジニの歴史を正しく教えるべき。今日があるのは彼らがいたから。」という導入でホワイトバッファローという曲へ。
■ White Buffalo
美しい曲に加え映像が素晴らしかったです。
ジョンのサイトでサワリだけ聞くことが出来ます)

ここでジョンから質問。「みんな何のために生きてるの?」アメリカの高校生のワークショップに参加した時にこの質問をしたそうです。
すると「神を見つけるため」という答えがかえってきたそうです。
「そのとおり!私たちが生きている目的とは私たちの内面の創造主を見つけることなのです」とのことでさすが教祖様!(笑)
そんなこんなで再びジョン&ヴァンゲリスの曲からエンディングへ。
■ State Of Independence
アレンジはかなりかわっていてちょっとポップになっています。
また画面にはサンフランシスコの町を撮影したビデオクリップが流れます。
ジョンのサイトでサワリだけ見ることが出来ます)
■ And You And I
■ Soon
短いけどさすが天使の歌声!

アンコールはおなじみの曲で締めます。
■ Roundabout
全員手拍子な訳ですが終わってから「イヤーーいろんな国を回ってきたけどあんたらが最高のクラッパーやね!」とお世辞。
ちなみに他の会場でも言っていたとのこと。

「みんなで歌ってね」ということで
■ I've Seen All Good People
ジョンのライブなのでYour Moveのみ(All Good Peopleはクリスの曲)で、最後の♪Diddit diddit diddit diddit diddit diddit diddit didda♪の部分を全員に歌わせながらジョンレノンのGive piece a chanceを歌ってよい感じのハーモニーを会場一丸で作って終了。
「ソロってちゃんと出来るの??」なんて思っていただけに結構な満足感で、周囲からも「最高!よかった!」というような声が聞こえます。
ジョンの家のホームパーティーに招かれたような雰囲気の中、ずっとニヤニヤしながら見るという暖かい雰囲気のコンサートでした。

ところで入り口にジョンの絵(普通の水彩画の花の絵で、オリジナルは2万円、プリントは2千円)が販売されており、それほど上手いわけではないのですがこれを買うとジョンのサイン会に参加できるというので、一緒に行った妻はプリントを即買い!
なんだか怪しい商法のようです(笑)
終了後にサインと握手が出来て満足そうでした。

Jonpict-2

絵に関しては通販しているサイトもありますので欲しい人はどうぞ(笑)

普通に立っているとただのおじさんなんですが、ステージに立つととんでもないオーラを放つ・・・・ストーンズもそうでしたがずっと支持され続けるということはそういうことなのしょう。
ジョンの声もまだまだ健在!次はぜひイエスで来てほしいですね。

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