U2 Vertigo Tour 2006レポート(ネタバレ)
今年になって1998年のPopMart Tour以来8年ぶりにU2が来日するというニュースが流れ、Vertigo Tourで4月4日来日決定したものの延期となったU2がやっとのことで来日。
11月30日、待ちに待ったさいたまスーパーアリーナに行ってきました。
ただし、4月の公演場所だった約7万人収容の日産スタジアムが使えなかったらしく、約2万人(多分)収容のさいたまスーパーアリーナに会場が変更になったことで公演期日が11月29日、30日、12月4日の3日間となっています。
さいたまスーパーアリーナへ行くのは初めてなのですが、上野から案外近く、しかも駅と隣接する形であんなデカイ施設があるのはチョットビックリです。
仕事の打ち合わせがあったので、時間が無くジョンレノンミュージアムに行くことが出来なかったのは残念。
グッズ購入も後回しにしてとりあえず入場です。
アリーナと言えどパイプ椅子ぐらいあるのが日本では普通ですが、アリーナは完全にスタンディングで観客は整理番号順に入場します。
ただ入場してしまうとA(真ん中より前方)とB(真ん中より後方)という大雑把な区切りしか無く、好きな位置に陣取ることが可能です。
また驚いたことに望遠カメラ、録音、ビデオ撮影、フラッシュ撮影しか禁止されておらず、携帯のカメラや通常のデジカメで撮影していても誰も注意しません。
海外でのコンサート同様のスタイルということなのでしょう。
さてステージはと言うとVertigo Tourにはすでに発売されているシカゴツアーのDVDにあるLEDすだれディスプレイを使用したアリーナセットと、雨風に耐える格子状LEDディスプレイを使用したスタジアムセットの2種類があったのですが、延期後のオーストラリア、日本、ハワイを回るのはスタジアムセット1種類のようで(2種類運ぶのは大変ですからねえ)、赤い縞のスピーカーとシルバーの格子状LEDディスプレイでデザインされたスタジアムセットが設置されていました。
デザインはU2はもちろん、ピンクフロイドやストーンズでお馴染みのマーク・フィッシャー。
ステージからはAエリア全体を囲む形で二本の花道が客席に延びいます。
さて3000番代の整理番号で入場したのですが、まだまだ前には行けるもののステージ背面全体がLEDディスプレイになっているので、あまり前に行くとU2の映像演出を見ることができなくなってしまいます。
そこでステージ向かって左側の花道のさきっちょあたりで鑑賞することに。
予定時刻を15分ぐらい過ぎたあたりでオープニングのBGMがかかり場内が大歓声に包まれ、Everyone・・・Everyoneというボノの影ナレーションでさらにヒートアップ!
徐々に会場のライトが暗くなり1曲目はCity Of Blinding Lightsです。
1 City Of Blinding Lights
他の場所は分からないのですが、場内とんでも無い騒ぎで前へ詰めかける流れに逆らうのが大変。
周りの歓声&歌声が大きすぎて曲が聞こえないほどです。
ボノは日本国旗を振って花道先端に登場。
ステージ背面のLEDディスプレイは思った以上にまぶしくカッコイイです。
ほとんど照明の機材が見あたらないのを納得したりしていました。
2 Vertigo
オープニングのかけ声を日本語が「イチ、ニイ、サン、CATORCE!!」と日本語バージョン。(ジュウヨン!って言うのかと思ったら違いました)
とにかく観客が歌う歌う・・・・正直U2の演奏がよく聞こえません(^^;)
観客が満員電車並みに密集しているとココまですごいエネルギーになるというのは初体験です。
ディスプレイはもちろんグリングリンの渦が表示され、文字通りめまいです。
スクリーンには高輝度LEDの照明も埋め込まれており、目つぶし的に使用されています。
3 Elevation
オープニングのHo-oというファルセットのコーラスを観客が歌い始めるとボノが「美しい・・・みんなは美しい・・・日本は美しい」と・・美しい日本ってどこかで聞いたことありますね。
阿部総理を表敬訪問した影響でしょうか?(笑)
ライティングは格子状のLEDディスプレ裏側からの照明となり、その部分が開いてライトが現れます。
照明の器具が少ないと思っていたら、裏から現れる仕組みになっていたんですね。
4 Until The End Of The World
この頃から音が落ち着いてきました。
バランスも音色も申し分ないのですが、いかんせん周りがうるさすぎます。
もうちょっと音量が大きくなるといいのに・・・なんて思っていたらエッジが花道をこちらにやってくるではありませんか・・・目の前にエッジが・・
5 New Year's Day
今度は目の前にボノが・・ボノもエッジもとんでも無いオーラを放っています。
もう音も観客も本調子。
素晴らしい演奏と客席の一体感です。
6 Beautiful Day
気がついたらスクリーンの裏にはピンスポットも設置されていて、12人のオペレーターが操作していました。
通常のムービングライトではあり得ない光量でいい感じです。
エンディングのメロに乗せてBeatlesのBlackbirdの歌詞を歌います。
かっこいい!
7 Angel Of Harlem
もうベストオブベストという選曲で進んできていますが、これまたみんな歌いまくり。
エッジが目の前でとても楽しそうに演奏しています。
8 The First Time
エッジがアコースティックギターに持ち替えしっとりと・・
そしてボノとエッジが目の前に・・
曲が終っても、ボノが目の前にいるので周りは大騒ぎ・・・・「次は父親にささげる曲」とMCしていると汗瓶に入ったらしく「Fu●k'n Glasses!」とサングラスを外したらまた大騒ぎ(^^;)
9 Sometimes You Can't Make It On Your Own
でも曲が始まったらちゃんと聞くのがえらいところです。
U2って上手いなあ・・とあらためて実感。
ディスプレイには人が延々と歩き続けるアニメーションとボノに歌う姿が映し出され、何となくジーンとくる瞬間です。
10 One Tree Hill
同様に聞かせてくれます。
そして次はさらに名曲!
11 Sunday Bloody Sunday
途中The ClashのRock The Casbahが歌われ、その後ディスプレイに日本語で「共存」と表示され大歓声。
ボノは以下のような図形の書かれた鉢巻をし「日本から共存を実現させよう」と呼びかけます。
共存=COEXISTの文字を、月はイスラム教、六芒星はユダヤ教、十字架はキリスト教のピクトグラムに置き換えた図形で、宗教が違っても「coexist/共存」できることを訴えています。
さらに花道にサヤカちゃんという日本人の女の子を上げ二人で「No War!」と掛け合いをして抱き合う演出。
多分事前の仕込みと思われますが、その後「Sunday, bloody sunday」と歌っていたら不覚にもちょっと涙がでてしまいました。
そして間髪入れずこの曲。
12 Bullet The Blue Sky
舞台上真っ赤で、戦闘機が飛び交うアニメーションが映し出されます。
また曲間にThe Hands That Built Americaのフレーズが出てきたり、さらにはエンディングでは花道の先端で真っ赤なトーチがたかれた前で、ボノが「ジョニーが凱旋するとき」(When Johnny Comes Marching Home=アメリカ民謡?)を歌い、争いの無意味さを表現していました。
13 Miss Sarajevo
エッジがピアノを弾きしっとりと歌われます。
曲の最後には「世界人権宣言」の日本語が表示され、第一条〜第六条までが日本語でスクロールされます。
サブ画面には女の子が表示され英語で人権宣言を朗読・・・・朗読が終わると間髪入れずに次の曲です。
14 Pride (In The Name Of Love)
素晴らしい構成にただただからだが熱くなるばかりです。
もちろん全員大合唱です。
さらにたたみかけるようにこの曲。
15 Where The Streets Have No Name
ディスプレイにはアフリカの様々な国旗が表示されます。
演奏は完璧!会場は大騒ぎです。
16 One
DVDと同じように来場者に携帯電話をかざさせます。
携帯の待ち受け画面に包まれた会場は素晴らしい美しさです。
各自の携帯やパソコンから配信されるEメールが世界の極端な貧困を救う運動「ほっとけないキャンペーン」について解説。
来場者に感謝して最後の曲です。
ここからはアンコール1回目です。
画面上に4列のスロットが表示され、いろいろな人の顔がグルグルと回り始めます。
この中には小泉元首相の顔なども含まれ、最後にはZooropaのジャケットにあるキャラクターが揃い「マンマ!マンマ!」と叫び始め、曲がスタートします。
17 The Fly
画面には目まぐるしく美しいレイアウトでタイポグラフィーが表示されます。
18 Mysterious Ways
画面は艶めかしく動く女性の手が表示され、万華鏡のように変化していきます。
途中仕込みと思われる双子の外人女性をステージに上げて花道先端でパフォーマンス。
19 With Or Without You
もうなにも言うことはありません・・・素晴らしい。
キックとベースの音が心地いい中、全員大合唱です。
「さよならトーキョー」で1回目のアンコールは終了。
ここからはアンコール2回目です。
20 Window In The Skies
ベスト盤U218 Singlesに収録されている新曲です。
心地よく変化するアニメーションが表示されます。
21 Desire
導入部はカントリー帳でギターと歌のみ。
途中からドラムとベースが入るアレンジ。
ハーモニカ上手い!
「久しぶりね」と言いながら最後の曲。
22 All I Want Is You
みんなで歌うシーンを作り、全員が合唱している中、最初はボノが、次はエッジが、そしてアダムが、最後にラリーが舞台から去っていき、2時間10分のショーが終了します。
その後、会場外のグッズ売り場へ行き、30分ぐらい並んでTシャツとパンフレットをゲット。
残念ながらツアーTシャツはL売り切れでした。
今回のVertigo Tourは、ステージに過去類を見ない巨大ディスプレイなどが使用されてはいますが、過去に行われたZooTV TourやPopMart Tourに比べて妙な演出は減っており、ストレートに音楽で自分たちのメッセージを伝えることに徹しています。
ところで始終ロックフェスなどに行っている若者は平気なのでしょうが、年寄りにギュウギュウ詰めのオールスタンディングは結構きついと言うことが判明。
ムチャクチャ疲れますし、興奮して暴れる奴もいるので微妙に危険だったりもします。
私も前の若者がいきなり両手を挙げて思いっきり仰け反ったので、後頭部で鼻をぶち割られそうになりました。(^^;)
年寄りは椅子のあるスタンド席あたりがちょうどよいのかもしれません。
ただ一体感があって楽しいのは事実なんですけど・・・みんなが歌うと聞こえなくなるのでもうちょっと音量が欲しかったかな・・・
ただ全体に文句なしに素晴らしく完成されたショーだったといえるでしょう。
日本公演は本日の4日を残すばかり。
行かれる方は楽しんでください!
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コメント
レポートありがとうございます!
まさに、会場の雰囲気そのままですね。
いろいろ思い出しました。
しかし、その位置でもタイヘンでしたか...
実は私、次の日がビリージョエルでスタンド席だったんですけど、あまりに客観的になってしまいました。演奏も歌も良かったのですが、音量も含めてちょっと物足りない。
とはいえ、もみくちゃも...悩みどころですね。
投稿: いいだ | 2006/12/04 02:48
コメント有り難うございます。
はんなり座って聞くのも、もみくちゃにされながら聞くのもどちらも楽しいとは思うのですが、PAよりも歓声がデカイというのは困ります(^^;)
ビートルズの頃じゃあるまいし・・・
投稿: kumanomix | 2006/12/04 17:27
12/4、行けなくなった知人のチケットを買い取って行ってきましたー。
ステージを真横から眺めるスタンド席だったので、
アリーナ・スタンディングの方々とは違って、涼しく拝見いたしました。
音はMid-Highのかたまりで、結構きつかったです…。
KUMAさんのレポートのおかげで、見えなかった文字などが確認できました。
ありがとうございます!
今日のライブですが、お休み中に大阪や京都へ行ったらしく、
京都から連れてきちゃったかもしれない3人の芸者さんがステージに登場、
花道をぬるぬる歩いてました(レポートにある外人女性の代わり?)。
そして、たぶん今日だけだと思うのですが、
アンコールで再びVertigoをやりました。
当然、大盛り上がり!
しかーし、KUMAさんがあの波打つスタンディングの中に
いらっしゃったとは…。
ステージ真ん前のかぶりつきの人たちには、
ライブ中にスタッフからミネラルウォーターが配られたましたよー。
熱くなり過ぎて、死人が出そうですもんね…。
いやはや、おつかれさまでした!
投稿: J | 2006/12/05 00:31
Jさんコメントありがとうございます。
>アリーナ・スタンディングの方々とは違って、涼しく拝見いたしました。
上着もセーターもシャツも脱いで人の波で無くさないようにカバンに縛り付けてアリーナにいました。
熱いのなんの・・・
スタンドのステージ脇だと目の前スピーカー直ですから・・・ロー届かなさそうですね・・・
歓声で聞こえないのとどっちがいいんだろう??(笑)
芸者さん歩かせるってすごいなあ。
あの方々もちゃんと呼べば来てくれますからきっと本物でしょう。
8年前のPopMart Tourがスタンドガラガラだったので、今度はどうなることかと思いましたが、盛り上がってよかったです。
それにしても年寄りには疲れます。
やはり私はロックフェスに行ける歳じゃないんだなあ・・・と再確認した次第です(^^;)
投稿: kumanomix | 2006/12/08 01:18