Ustream中継マシンVR-5を試す!
先日、10大ニュースを発表して今年は締めようかと思っていたのですが、いくつか心残りが・・・
11月17〜19日に幕張メッセで開催されたInterBEE(国際放送機器展)にてローランドからUstream中継専用マシンVR-5なるものが発表されました。
業界大注目であちこちのサイトで紹介されたのでご覧になった方も多でしょう。
ローランドって本当にニッチなもの大好きですよね。
実はこのVR-5、1月に発売になる予定なのですが、12月11日にGueen(Queenのお笑いトリビュートバンド)のライブで試用することができたのでチョコっとレポートしてみましょう。
実はVR-5は発売されると40万円ほどの価格(実売はもっと安いでしょうが)になるようで、一般のユーザからは「たかがUstreamにそんな高価な機材使えない」と思う人も多いと思います。
$199のUstream Producer Proを使用すると、パソコンに複数のカメラをFireWire(IEEE1394)やUSBによって接続して切り替えることができますが、パソコン的には中継用のエンコードの外に、入力されたカメラの数だけエンコードが必要となってしまうため、ノートパソコン程度だとあっという間にCPUパワーを使い果たしてしまいます。
そこで外部に映像のスイッチングやミックスを行う機器が必要になるわけですが、この場合、さらに映像信号をFireWireやUSBに変換するコンバーターが必要になります。
もしディスカッションやライブなど複数のマイクが必要になった場合、当然音声用のミキサーなども必要となりますが、この際、映像のスイッチャーやミキサーがデジタルで、音声用のミキサーがアナログだった場合、映像と音声のずれが発生する可能性もあります。
こうしたアタマの痛い問題を1台で解決してしまったのがVR-5です。
入力は3台のカメラの映像と音声、1台のPC出力の映像と音声を接続でき、加えて2チャンネルの音声を1ボックスでスイッチング・ミックスでき、コントロールでき、モニターでき、USBでUstream用パソコンにUSBで接続することができる手軽さを考えるとコスト的には高いとは言えないでしょう。
液晶画面は左がソース、右がオンエアとなり、ソースは4分割で表示され、液晶に直接タッチして切り替えることも可能です。
さらにSDカードに録画したり、SDカードにあらかじめ入れてある映像ソースを再生することもできます。
例えば「それではビデオを見てみましょう」というような場合、送出用のビデオデッキをあらかじめ用意する必要が無いことを意味します。(再生時のチャンネルはPCと兼用)
PC入力はタイトル表示などの外、PowerPointなどで作ったテロップをキーで抜いて映像とミックスすることも可能です。
背面の写真ですが、カメラの入力はコンポジットのBNCかS端子で音声はRCAピン、PC入力はD-SUB15ピンとなっています。
映像の出力としてHDMIが搭載されているのは、公開収録などの際にストリーミングと同時に会場に映像を送出する際に使用するもののようで現場での利用をよく考えて作られています。
液晶画面の右側にあるのがパソコンに接続するためのUSB端子。
MacBook Proで試してみましたがWebカムとして認識していました。
どんなタイプのパソコンでも使用できると思います。
12月11日のイベントは渋谷のO-Westで行われました。
中継ブースはこんな感じ。
PA用のミキサーのアウトだとどうしてもボーカルが大きくなりすぎたり、観客の拍手の音などが全く拾えないので、PAミキサーさんにお願いして、楽器をある程度のグループで出してもらい、ノイズマイクをたてて、ローランドのデジタルオーディオミキサーM-380でまとめてVR-5の音声入力へ入力。
元々は40チャンネル以上と大がかりなので、かなり入力を絞ったつもりですがそれでも24チャンネルにもなってしまいました。
映像はステージサイドの固定カメラ、客席最後尾の固定引きの固定カメラ、カメラマン付きのカメラという3カメを使用し、VR-5はMacBook Proに接続し、曲名などのテロップはUstream Producer Proで出す形式としました。
インターネットは会場に引いてあるものを使用させて頂きました。
PAミキサーと比較するとかなりコンパクトにまとまっているのが分かりますね。
ちなみにMacBook AirはUstreamの送出モニター用で、さらにツイートやツイートに対するリツイートなどをおこなっていました。
結果としては、これ以上考えられないほどシンプルで簡単。
ただし私は、送出用の音声のミックス、映像のスイッチングやミックス、テロップ出し、ツイートやリツイートを一人でやる羽目になったため結構ドタバタで、特に音声24チャンネルのミックスにかなり神経を使ったので、テロップの出し忘れ、消し忘れ、カメラの切り替え忘れなど大騒ぎでしたが、まあ機材のせいではなく精進不足という感じ。(笑)
映像のクォリティーとしてSDしか使用できない点を不満に思う人も多いかもしれませんが、はっきり言って常設の場所でないかぎり、回線を考えるとSDでないと失敗する可能性は大です。(現時点ではですが)
それよりもクォリティーの高いカメラを確保する方が映像的には重要だと思います。
はっきり言って今回の試みは非常に楽しく、中継を見て頂いた皆さんにも好評だったようです。
とりあえず今回の中継の結果を録画で残してありますので、こちらのサイトにて数日だけ公開してみたいと思います。
中盤以降の方がオペレーション慣れてきてまともです(汗)
準備期間0日、現場で初めて使った上に、VR-5もベータ版でしたが結構いけているのではないでしょうか?
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